日差しの穏やかな昼下がり、アリエスの離宮の外れに位置する庭園の東屋の中には、三人の人間がいた。一人はルルーシュ、一人はその異母兄であるクロヴィス、そしてもう一人もまた彼女の異母兄で、名をシュナイゼルといった。そこでは、そのうちの二人――ルルーシュとシュナイゼルが、チェスの勝負をしていた。傍らでは、クロヴィスがそれを観察している。
ルルーシュは、チェス盤の差し向かいで優しげな笑みを浮かべ、次の手を考えているらしいシュナイゼルをそっと窺った。しばらくすると、ルルーシュがこっそりと視線を向けている先で、白のナイトが動かされる。
それを見て、ルルーシュはきゅっと唇を噛み締めた。
(……相変わらず、嫌な手を打ってくる人だ……)
これでもう、ルルーシュの黒に生き残れる術はない。ルルーシュは吐息のような声で、降参の旨を告げた。
シュナイゼルのチェスの腕は、ルルーシュよりも強い。けれど、それを理由に先のようなことを思ったわけでは決してなかった。
チェスには性格が表れる。どんな駒の進め方で、その人がどのような性格をしているのか、昔からルルーシュには大体のことが分かった。シュナイゼルの駒の進め方は、まるで羊の皮をかぶった狼。隙を突いたと思ったら、次の瞬間に牙を向く。恐ろしいまでに深く考えて計算された、完璧な布陣。それは決して、穏和だとか優しいとか、そんなものでは決してありえなくて。もう何年も前、シュナイゼルと初めてチェスをしたとき、皆が穏和だと信じているこの異母兄が、決して優しい人ではないのだとルルーシュは悟った。そのきっかけとなった勝負の直後、ルルーシュは勝負に負けたことですねてしまったふりをして、早々にシュナイゼルをアリエス宮から追い返そうとしたのだが、シュナイゼルはそんなルルーシュを見て、笑った。それはひどく恐ろしい笑みだった。ルルーシュはそのときから、シュナイゼルが怖くてたまらなくなった。
それなのに、その勝負以降、シュナイゼルはルルーシュによくかまうようになった。決して暇ではないだろうに、ルルーシュたち母子の住まうアリエス宮を訪れ、ルルーシュをかまった。今こうしてチェスをしているように。
その理由が何なのか、ルルーシュは知らない。彼との身分差を考えれば滅多な態度を取ることを許されないゆえ、怯えながらも平気な態度を取り繕おうとしていたルルーシュが面白かったのか。それとも、誰も気付いていない本性に気付いた存在を物珍しく思ったからか。あるいは、単なる気紛れか。いくら考えても分からなかったので、今ではもう考えることを止めてしまった。この異母兄の思考が理解できるものとは、ルルーシュには到底思えなかったので。
「やはり、シュナイゼル義兄上は強いですね」
傍らで勝負を見ていたクロヴィスが、皮肉でもなんでもなく、素直に感心した口調で言う。
「ルルーシュも、まだ義兄上にはかなわないのだな」
「いや、それでも最近は、時折冷や冷やさせられる手を打ってくることがあるから、気が抜けないよ。強くなったね、ルルーシュ」
「そんな……私なんてまだまだです」
優しげな笑みを向けてくるシュナイゼルに、ルルーシュは表情筋を総動員してはにかんだ笑みを形作り、謙遜の言葉を返す。
すると、それを見ていたクロヴィスが、むっとしたような顔になった。
「ルルーシュ」
「はい、何でしょう?」
「私と義兄上に対して、どうしてそんなに態度が違うんだ?」
ルルーシュは思わずぎくりと体をこわばらせた。自分ではちゃんと自然を装えているつもりだったのに、クロヴィスなんかに見破られるほど、不自然な態度を取っていたのだろうか。そう思いながらも、ルルーシュはぎこちない笑みを浮かべた。
「そんなことはありませんよ」
「ある!私に対しては全然素直じゃないくせに、どうして義兄上に対してはそんなにかわいく笑うんだ!」
クロヴィスの反論を聞いて、ルルーシュは己の懸念が無用の心配だったことを悟り、小さくほっと息を吐いた。そしてにっこりと微笑んで、思ってもいないことを口にする。
「シュナイゼル義兄上は、尊敬に値する方ですから」
「私は違うとでも言うのか!」
「さあ……どうでしょうね」
「る〜る〜う〜しゅ〜!」
意味深な笑みを浮かべるルルーシュに、クロヴィスは怒ったような面持ちで詰め寄ってくる。
「こらこら、やめなさい、クロヴィス。大人げない」
そこへ、苦笑したシュナイゼルが仲裁に入る。苦い笑みを浮かべている彼の目が、決して笑っていないことに気付いたルルーシュは、再び身をこわばらせる。しかしクロヴィスは、そんなことにはちっとも気付いていないのか、ふてくされたような顔で言い返している。
「義兄上には分かりません」
「まあ……私は、尊敬に値する義兄らしいからね」
そう言って、シュナイゼルはルルーシュにちらりと視線を寄越した。尊敬に値する方だなんてそんなこと、少しも思っていないくせにという言葉が、視線だけで伝わってくる。けれどそこに、先ほどまでのような冷たい色はない。むしろ、からかっているような笑みを含んでいる。だからと言って、この義兄のことを何より苦手としているルルーシュには、どう反応すべきか分からなかったので、とっさにうつむいてしまう。瞬間、ぴりっと空気が凍ったような気がした。
そんな深刻さをぶち壊すように、何やら切羽詰ったような顔をしたクロヴィスが、突然ルルーシュの肩をつかんで問いかけてくる。
「ルルーシュ!」
「は、はい」
「私のどこが尊敬できないと言うんだ!」
情けない顔で詰め寄ってくるクロヴィスを見ていると、何だか肩から力が抜ける。ルルーシュは小さく息を吐いてから尋ねた。
「……言っていいんですか?」
「言いなさい!」
「では、正直に言いますが……そういう落ち着きがなくて感情的なところとか」
否定できなかったのか、クロヴィスがうっとうめき声を上げる。
「子どもっぽいところとか」
やはり否定できないのか、クロヴィスは胸を押さえてよろよろと後ずさった。
「それに義兄上、私よりチェスが弱いですし……」
これも事実。とどめをさされたのか、クロヴィスは完全に沈黙した。しかし、すぐに復活して不気味な笑い声を立て始める。
「ふっふっふ……ならば私が君とのチェスに勝てば、君は私への態度を改めるのだな!」
誰もそんなこと言ってない。
「よし、では今から私と勝負だ、ルルーシュ!」
ルルーシュはしらけた視線を向けるが、クロヴィスは一人やる気満々だ。大体、クロヴィスがルルーシュに勝てたことなんて、ルルーシュがチェスを覚えたてのころにしかなかったのに、これから勝負して勝てると本気で思っているのだろうか。それとも、単なる意地か。まあ、こういった馬鹿なところがクロヴィスの愛すべき特徴なのだが。そんなことを思いながら、ルルーシュが密やかに笑っていると、突然後ろから誰かに抱きつかれた。
「ルルーシュ!」
「ユフィ?」
振り返るとそこには、一つ年下の異母妹の姿。その隣には、ナナリーも立っている。二人とも、ついさっきまで向こうの花畑で遊んでいたはずなのに、いつの間にこちらまで来ていたのだろう。
「何か用?」
シュナイゼルは、自分がルルーシュをかまっているときに、ルルーシュが他人に意識を向けることを嫌う。だからルルーシュが、ちらちらとシュナイゼルのことを気にしながら、首を傾げて問いかけると、ユーフェミアはすねたように唇を尖らせる。
「さっきからシュナイゼルお義兄様とクロヴィスお義兄様の相手ばっかり!ね、ルルーシュ、今度は私と一緒に遊びましょう?」
「でも、クロヴィス義兄上がこれからチェスをしようと……」
「どうせルルーシュの勝ちなんだから、別にいいじゃない」
無邪気な調子で子どもならではの残酷さを発揮するユーフェミアに、ルルーシュは苦笑し、クロヴィスが情けない声を上げてうなだれる。確かにユーフェミアの言葉は事実なのだが、彼女はもう少し空気を読むということを覚えるべきだろう。それに、クロヴィスとのチェスはどうでもいいにしても、シュナイゼルのことを放り出してユーフェミアと遊んだりするわけにはいかない。さて、どうやってユーフェミアを追い返そうかと思案していると、くいとスカートが引っ張られるのを感じた。視線を向けると、ナナリーがおずおずとした顔で願いを告げてくる。
「お姉さま、私もお姉さまといっしょに遊びたいです」
「そうだね、じゃあ、一緒に遊ぼうか」
愛らしくてたまらない妹の願いに、ついつい反射的にそう返してから、ルルーシュははっとした。
(まずい……)
ちらりとシュナイゼルの顔を窺うと、彼はにこにこと優しげに微笑んでいた。しかし、目はちっとも笑っていないので、とても怖い。ルルーシュは蛇に睨まれた蛙のようになったが、どこまでもマイペースなユーフェミアとクロヴィスは、そんなことに気付かず、むっとしたような顔で詰め寄ってくる。
「どうしてナナリーの言うことは聞くのに、私の言うことは聞いてくれないの?」
「ルルーシュ!ナナリーと遊ぶ前に、私と勝負だ!」
耳元で騒ぎ立てる二人の存在に頭を痛めながら、どうやってこの場を治めたものか、ルルーシュは必死になって頭をめぐらせる。そこへタイミングよく、宮殿のある方向から母の涼やかな声が聞こえてくる。
「皆、お茶にしましょう?」
タイミングよく響いてきた声に、ルルーシュはこれ幸いとばかりに飛びついた。
「ひとまず休憩しましょう。シュナイゼル義兄上も、それでよろしいでしょうか?」
「かまわないよ」
おそるおそるの問いかけに、返ってきたのは快い返事だったので、ルルーシュはようやく肩から力を抜いて、ナナリーの手を取って笑った。
「じゃあナナリー、行こうか」
「はい、お姉さま」
返事を聞くや否や、ルルーシュはナナリーの手を引いて、東屋の外へ出た。アリエス宮のテラスに、笑っている母の姿が見える。
決して幸せなだけではなかったけれど、幸せか否かと問われれば、ルルーシュは幸せだと答えただろう。ときどき怖いこともあるけれど、大好きな母と妹がいる穏やかで優しい日常。それがずっと続くのだと、ルルーシュは何の根拠もなく、ただそう思っていた。けれど、それが間違っていたのだと知ったのは、ルルーシュがまだ十にもならないときのことだった。
◇ ◇ ◇
(これは、何だ……)
目の前の光景が、ルルーシュには理解できなかった。理解できないまま階段の上に立ち、ただ信じられないように大きく目を見開いて、無言のうちに立ち尽くす。
階段の下では、母が倒れていた。その細い腕の中には、守るようにナナリーが抱かれていた。母に抱きこまれているせいでナナリーがどうなっているのかは分からなかったが、少なくとも母は、身にまとったドレスも体も穴だらけになっていた。二人とも、ぴくりとも動かない。腕一本、指先一つ動くことさえない。二人が倒れている周りに、じわりと赤い染みが広がっていく。それは、瞬く間に絨毯を染め上げていった。
ふと、ガラスが粉々に砕けて風通しのよくなった窓から、生ぬるい風が入ってくる。その風に乗ってやって来た、鉄と、そして吐き気がするような悪臭がルルーシュの鼻を突いた。
(これは……血と、内臓の……)
臭いだ。そう気付いた。そしてその臭いは、他の誰でもないルルーシュの母と妹の二人が倒れているところから発生していた。その瞬間、ルルーシュは現実を悟った。つい数瞬前にいったい何が起こったのか。どうして母はナナリーを守るようにして倒れているのか。どうして母の体は穴だらけになっているのか。母とナナリーの体を中心に広がる赤い染みは何なのか。それら全てを悟ってしまった。
「は、母上……ナナリー……」
小さな声で呼びかけるルルーシュに、返事が返ってくることはない。生きているのか死んでいるのか、この位置からは判別できなかった。分かるのはただ、広がっていく赤い染みの汚さと、血と内臓の臭いの醜悪さ。
(……汚い……)
無意識のうちにそう思ってから、ルルーシュははっと目を見開いた。変わり果てた姿の母と妹を見て、自分が何を思ったのか、それに気付いて愕然とする。
(汚い?……母さんとナナリーに対して、僕は何を……)
そう思った瞬間、胃がせり上がるような吐き気を感じて、ルルーシュはその場にがくりと膝を突いた。座り込んだとたん、胃の奥から何かが逆流してくる。
「っ……!」
びしゃりと音を立てて、床に吐瀉物が広がる。汚らしく胃の中身を吐き散らしながら、ルルーシュは泣いた。大好きな母と妹を汚いだなんて、一瞬でもそんなふうに思ってしまった自分を恥じて、吐いて泣いた。それでも、血と臓物の臭いを撒き散らす母と妹に近づくことは、できなかった。止まらない吐き気と涙のせいでにじむ視界の端で、母親とナナリーが運び出されていく。
(僕は……ぼくはっ……汚い……!)
誰よりも愛してくれた母のことを、誰よりも慈しんでいた妹のことを、汚いなんて思ってしまった自分こそが何より醜く汚らしい。自分への嫌悪に、ルルーシュはただ、吐いて吐いて吐いて、吐くものがなくなった後には胃液を吐いた。綺麗なドレスも長い艶やかな黒髪も、吐瀉物に汚して泣き続けるルルーシュを落ち着けようとしてか、誰かが声をかけてきているのに気付いた。けれどルルーシュがそれに心を落ち着けることはなく、吐いて泣いて、周囲に当り散らした。その暴れように対処しかねたのか、最後には何か薬を飲まされて無理やり眠らされた。
そして、強制的な眠りから目を覚ました後、ルルーシュに知らされたのは母の訃報と妹の重体だった。
それから数日後、謁見の間の前でルルーシュは、己の背丈の何倍も大きな扉を睨み付けながら唇を噛み締めていた。
(しっかりしろ!僕がしっかりしなきゃ……ナナリーは誰が守るんだ!)
重体のまま、未だ目を覚まさないナナリー。母が死んだ今、頼れる人間はいない。信じられる人間もいない。仲良くしていたと思っていた兄弟たち――クロヴィスやコーネリア、ユーフェミアでさえ、今ではもう信じられない。こんな目に遭ったルルーシュとナナリーを見舞いにも来てくれない兄弟たちを、どうして信じることなどできよう。異母腹の兄弟なんて信用できない。
そう思って、頑なに心を閉ざすルルーシュの前で、ゆっくりと扉が開いていく。同時に、ルルーシュの入来を告げる声が謁見の間中に響き渡る。開いた扉の中に一歩足を踏み入れた瞬間、玉座まで続く道の脇、並んで礼を取っている貴族たちの意識がいっせいにこちらに向けられるのを感じた。けれど、それに怯むことなくルルーシュは歩を進め、一歩、また一歩玉座へ近づいていく。その途中、玉座まで続く皇族貴族たちの列の中、一番王に近い場所に立っているシュナイゼルと目が合った。彼は無表情だった。無感情にルルーシュを見ていた。初めてシュナイゼルとチェスをしたあの日から、彼はずっとルルーシュにだけは、優しい瞳を向けていたのに。それが、単なる気紛れでしかないことぐらい知っていた。それなのに、胸が痛むのはどうしてなのだろう。ルルーシュは歯を食いしばって、シュナイゼルから目を逸らした。
やがて、玉座へと続く階段の直前で立ち止まったルルーシュは、言うべきことを口にしようとして口を開いた。
「皇帝陛下、母が身罷りました」
「……だから、どうした」
「だから!?」
面倒そうな声で返ってきた答えに、ルルーシュは険しい顔をして父親を睨み付けた。こんな態度を取るべきではないと、理性では分かっている。この謁見でルルーシュは、一向に快方へ向かわないナナリーのために、この国最高の医者――皇帝付きの侍医を貸してくれるように頼もうと思っていたのだ。それなのに、理性よりも怒りが頭を支配する。
けれど父は、睨み付けられていることなど全く気にしない様子で言う。
「そんなことを言うためにお前は、ブリタニア皇帝に謁見を求めたのか。……次の者を。子どもをあやしている時間はない」
「っ……父上!」
ルルーシュは思わず階段を駆け上がろうとする。玉座の前に控えていた兵士たちがそれを邪魔しようとして槍を交差させるが、父皇帝の合図一つで即座に下がる。けれど、すでに父に駆け寄る気をそがれてしまったルルーシュは、その場で怒りに震えながら父を詰った。
「何故母さんを守らなかったんですか?皇帝ですよね?この国で一番偉いんですよね!だったら守れたはずです!ナナリーのところにも顔を出すくらいは……!」
「弱者に用はない」
「……弱者?」
「それが、皇族というものだ」
「なら僕はっ……皇位継承権なんていりません!貴方の跡を継ぐのも、争いに巻き込まれるのも、もうたくさんです!」
叫ぶように言ったルルーシュの言葉に、背後の貴族たちの気配がざわつく。けれど父親は微塵も動揺することなく、ルルーシュのことをつまらないものでも見るように睥睨しながら、ぽつりと口を開いた。
「……死んでおる」
「……え……?」
「お前は、生まれたときから死んでおるのだ」
実の父親からの言葉とは思えないようなひどい言葉に、ルルーシュは思わず目を見開く。死んでおる、だなんて言われても、ルルーシュは確かに今ここに存在しているのに。
「身にまとったその服は、誰が与えた。家も食事も命すらも、全て儂が与えたもの。つまり、お前は生きたことは一度もないのだ!然るに、何たる愚かしさ!」
「ひっ……!」
泣きそうになって、ルルーシュは息を呑んだ。父親らしいことをしてもらったことなど、一度もなかった。言葉を交わしたことさえ、数えるほどしかなかったのだ。それなのに、そんな人間から言われた言葉に、どうしてこんなにも泣きたくなるのだろう。こんな父親に、家族の情を期待していたとでもいうのだろうか。信じられる人間なんて誰もいないと思っていたはずなのに、どうかしている。こんな父親に言われた言葉で傷ついたりするものかといくら思っても、胸に生まれた空虚は埋まらなかった。
悔しくて寂しくて、悲しくて。堪え切れなくなったルルーシュは、くるりと踵を返して玉座に背を向ける。背中から、父親の声が追ってくる。
「日本へ行け、ルルーシュ。皇女一人でも、取引材料としては十分だろう」
まるで物を扱うような口調に、父親、否、この男にとっては血の繋がった子どもなど、単なる駒でしかないのだと悟った。
(ああ、でも……)
あの男は、皇女一人と言った。それならば、ルルーシュが日本に送られても、ナナリーはこの国できちんとした治療を受けていけるのだろう。そのことだけが、ルルーシュの心に残った希望だった。
けれどそれから二日後、ルルーシュの希望は潰える。治療の甲斐なく、ナナリーが死んだ。