つなぎとめる

 極力『以前』の流れを崩さないように気をつけているとは言っても、自分に不利なことや、悲しみを引き起こすような出来事まで同じまま繰り返すつもりは、ルルーシュにはない。
 だからアーサーにゼロの仮面を奪われて、とある放課後が猫捜索大会へ早変わりするようなことはなかった。そのせいで、『以前』スザクが学園に馴染むようになったきっかけはなくなったが、ミレイのお遊びを利用したルルーシュの機転によって、スザクは再び生徒会に所属して少しずつ学園内でも受け入れられるようになっていった。
 ホテルジャックのときは、事前に侵入経路を確保しておいた。クロヴィス殺害がなかったので名前は名乗っていても、ゼロはそれまで姿を現す必要がなかった。そのため、ホテルジャックのときになって初めて姿を見せたテロリストでは、コーネリア相手に交渉は難しいと判断したからだ。事前に準備しておいたため、人質救出と黒の騎士団成立宣言は、以前よりもスムーズにいった。
 また『以前』はナリタで死んだシャーリーの父親は、その日はナリタから離れているようにギアスをかけたため、死ぬことにはならなかった。
 カレンとの仲にも気を遣った。『以前』神根島でゼロの正体を知ったときのように、もしこの繰り返しの中で正体がばれることがあったとしても、今度は彼女が戸惑うことのないように――いや、戸惑ったとしてもゼロを拒絶することがないように、ルルーシュは自分の中にあるブリタニアへの憎しみを不自然にならない程度に、さりげなくカレンに対して知らしめていった。それも高等部からではなく、中等部のときからだ。そのおかげで、現在カレンはルルーシュの前では猫を被らないようになったし、自分が日本人とのハーフであると打ち明けてくれた。さすがにテロリストだとまでは言わなかったが、それでもかなり良好な仲を築いている。
 色々なことに気を遣って生活したが、その中でも特別気をつけたのがスザクへの態度だった。『以前』もルルーシュはスザクのことをとても大切に扱っていたけれど、今になってからはそれ以上に大切に、優しく、そして慎重にスザクに接していた。



◇ ◇ ◇



 スザクが編入してきてから、そろそろ約一ヶ月になる。
 最近の放課後は、黒の騎士団に関することで時間を取られていたため、生徒会に顔を出すのもルルーシュにとっては数日振りだ。案の定書類は山ほど溜まっていて、生徒会室に入ったとたん、口からは自然ため息が零れ落ちた。
 それでも空が夕焼け色に染まる頃には、ようやくこんもり積み上がっていた山にも終わりが見えてくる。
 それに気を抜いたのか、それとも書類を見ているのが嫌になったのか――確実に後者だとルルーシュは思ったが、それまで書類に文句を言ったり誰かをからかったり次にやるイベントについて延々と語ったりをしながらも大人しく書類を片付けていたミレイが、音を立てて椅子から立ち上がる。
「ちょっと休憩にしましょう」
 ミレイはそう言って、隣室へ向かおうとする。
 ルルーシュはその背中に向かって釘を刺した。
「そんなこと言って、逃げ出さないでくださいよ」
「いやぁね、ルルちゃんったら、私はそんなことしないわよ。ほら、この澄んだ目が見えない?」
「どうだか」
 胸の前で手を組んで、器用に目薬もなしに潤ませた目で見つめてくるミレイに、ルルーシュは肩をすくめてため息を吐く。
 ミレイは怒ったような顔になり、両手を腰に当てて仁王立ちになる。
「もう、かわいくないわね。大体こんなに書類が溜まってるのは、いったい誰のせいだと思ってるのかしら?最近、ぜんっぜんルルちゃんが生徒会に顔出さないからでしょ!」
「だから他の二倍はある書類を押し付けられても文句一つ言わなかったし、こうして自分の分が終わった後も、残りの書類を片付けているでしょうが」
 生徒会室に入るや否や、他の役員の二倍近くもの書類をミレイに押し付けられた。それでもこうした仕事は得意なため、たとえ他の二倍あろうと本日分のノルマを終わらせたのはルルーシュが一番早かった。普段なら終わり次第兄妹――いや、今は姉妹か――で使っている居住区へ帰るところなのだが、最近仕事を押し付けていた負い目があるため、自分のノルマが終わった今もこうして他人の仕事に手を貸しているのだ。文句は言わせない。
「大体、顔を出さないのは俺だけじゃないでしょう。カレンもスザクもそうだし、シャーリーだって今日はいませんよ」
「カレンは病弱で学校自体あまり来れないんだし、スザクは軍務でしょ。それにシャーリーは部活。遊び歩いてるルルちゃんとは違うの。とにかく休憩、休憩よ!ガッツの魔法も効かないぐらい、ミレイさんは疲れたのよう!」
「俺も会長に賛成。確かにちょっと疲れてきたし?」
 おどけたような口調でリヴァルが口を挟んでくる。
 ルルーシュは無言で彼をねめつけた。お前の場合は会長のやることなら何でも賛成するだろう、そんな思いを視線に込めて。
 冷たい視線を向けられたリヴァルは、込めた思いを正確には分からずとも、非難されていることは理解したのだろう。乾いた笑いを漏らしている。
 それを見て、ルルーシュは軽くため息を吐いた。
「別に休憩するのが悪いと言っているわけじゃない。ずっと働き通しだと、作業効率も下がるからな。俺はただ、会長が逃亡しないかと心配しただけだ」
「しないって言ってるのにぃ」
 ミレイはわざとらしく唇を尖らせる。
 その抗議を、ルルーシュはぴしゃりと叩き落とした。
「何度も前科のある人の言葉を信じられますか」
「今回はしないわよ。向こうの部屋に行こうとしたのも、紅茶を入れてこようと思ったからよ」
「はいはい。ではどうぞ紅茶の準備をお願いします。……リヴァル、会長の手伝いを。逃亡防止に見張っておけよ」
「お、おう、任せとけ!」
 リヴァルは、突然向けられた言葉に少しだけうろたえた後、うれしそうな顔でどんと胸を叩いた。そしてキッチンへの扉を開けて部屋を出て行くミレイのことを、弾むような足取りで追って行く。彼はミレイのことを好いているから、こんな些細なことでも彼女と二人きりになれるというだけでうれしいのだ。
「さて……」
 ルルーシュは立ち上がり、机の隅に置いてある分厚い本数冊を手に取った。ここに置いてある分はもう使い終わったものだから、あとは図書館に返すだけだ。室内をぐるりと見回して他に返す本がないか確認するが、目に付くところには置いていない。
 念のため、聞いて確認することにした。
「ニーナ、これ以外に返す本は?」
「多分ないと思う」
「そうか、ありがとう。じゃあ俺は、会長たちが紅茶の準備をしている間にこれを返してくるから、そう言っておいてくれないか?」
「うん、分かった」
 ルルーシュは数冊の分厚い本を抱えて、生徒会室を後にした。

 図書館へ向かって廊下を歩いていると、途中で生徒の一人と鉢合わせた。さらに言えば、声をかけられた。
「あの、ルルーシュさん!」
「何だ?」
 声をかけてきたのは性別男、体育会系の部活に所属しているのか、制服ではなくジャージを着ている。そのくせどうして校舎内にいるのかと思ったが、めくった袖から露出した腕に包帯が巻かれていることから考えて、部活の途中で負った怪我の手当てをしに保健室へ行ったところなのだろう。顔が真っ赤になっているから、もしかしたら熱もあるのかもしれない。
「おい、顔が赤いぞ。熱があるなら早く帰ったほうがいいんじゃないか?」
「いえっ、大丈夫です!」
 男はぶんぶんと首を横に振る。
 そんな顔色で否定しても真実味は薄いと思ったが、本人が大丈夫だと言うのなら他人が口を出すようなことでもない。ルルーシュはそれ以上言及することをやめた。代わりに、用があるならさっさ終わらせてやった方がいいだろうと思い、向こうから声をかけてきたと言うのになぜか言いにくそうに口をもごもごさせている相手に向かって、親切にも用向きを尋ねてやる。
「何か用があるんじゃないのか?」
「え、あ、や、その……」
 少年は否定とも肯定ともつかない意味のない音を繰り返している。
 よほど言いにくいことなのだろかと思ったルルーシュは、とりあえずこの状況で一番ありそうなパターンだと仮定して、相手をしてみることにした。
「部費についての嘆願なら、俺にではなくて会長に直訴するんだな」
「いや、そうじゃなくて!」
 ぎょっとするほど早く否定が返ってくる。
 ルルーシュはきょとんと目を見開いた。彼は部活に入っているようだし、最初から特に用事があってルルーシュを捜していたわけではなくて偶然見かけたから声をかけたというように見えたから、この状況で言いにくいことと言えば部費関連のことだと思ったのだが、どうやら違うらしい。それならと、他のどのパターンが一番相応しいかと考えて、ありとあらゆる可能性を模索し始める。
「あの!」
 思考がまとまる前に、少年は意を決したような顔で声を上げる。
「ルルーシュさんのことが好きです!俺と付き合ってください!」
 告白だったのかと、ルルーシュは特に何の感慨もなく思った。女の体になったとは言え、ルルーシュの精神は間違いなく男だ。けれど女になってから告白される件数は数え切れないぐらいに上ったために、男だったときたまに同じ男に告白されることがあっては感じていた嫌悪感は、いちいち感じていられなくなった。それに今のルルーシュは女なのだから、男から好意を寄せられても仕方ないのだ。
「ごめん」
 緊張した顔つきで返事を待っている男に向かって、ルルーシュは真摯に告げた。
 女の形をしてはいても、ルルーシュは男だ。だから男と付き合うなんて考えたこともない。けれどだからと言って、相手を邪険に扱う気はない。見た目はどうやっても女なのだから、男に告白されて応えることができなくても、それは相手のせいではなくてルルーシュのせいだ。だからせめて、好意を寄せてくる相手には誠意を持って向き合おうと考えていた。
「俺は、君とは付き合えない」
「そっか……ごめん。本当は答えなんて分かってたんだ。俺は君と接点なんて全然ないし、君が誰とも付き合わないってのは有名だから……でも、最近枢木とずっと一緒にいるから、焦ったんだ」
「スザク?スザクとは別に……」
「うん。付き合ってるわけじゃないってことは知ってる。でも彼は、君の特別なんだろう?」
 ルルーシュは無言で頷いた。
 彼の言うとおりだ。スザクは特別。初めてできた友達で、ナナリーの次に大切な親友だ。『以前』は誰より信じていたし、二人ならどんなことだってできると思っていた。裏切られた後は憎いと思ったこともあるけれど、それでもどうしてもルルーシュには、彼を思い切ることはできなかった。それを特別と言わず何と言うのだろう。
 少年はぎこちないながらも笑いながら言った。
「聞いてくれてありがとう。伝えられてすっきりした」
「……そうか」
 どう返していいか分からず、ルルーシュは曖昧に頷いておくことにした。
 それにしても、今回は物分りのいい相手でよかったと思う。悪いときには、振られたことに逆上して押し倒そうとしてくる相手もいるのだから、この反応には好感さえ覚えた。
「なあ……最後に、一度だけ抱きしめてもいいかな?」
 名前も知らない少年は、切ない顔をして言ってくる。
「それで諦めるし、抱きしめるだけで変なことはしないって約束する。……駄目かな?」
「……一度だけなら」
 ルルーシュを見つめてくる目に、欲望の色はなかった。そこにはただ、切ない色だけが映っている。これを断っても、彼なら無理強いしたり逆上したりしないだろうことは分かっていた。それでも受け入れたのは、ルルーシュなりの誠意だった。
「ありがとう」
 少年はそう言って、ルルーシュのことを抱きしめた。
 ジャージからは、汗と体臭の匂いがした。抱きしめてくる腕は強く、その体は硬かった。以前はルルーシュも同じようにできていたはずなのに、今は違う。女の肉体はふにゃふにゃとどこもかしこもやわらかくて、筋力も随分落ちてしまった。ナナリーを抱き上げるぐらいならかろうじてできるが、男だったときのように軽々とはいかない。
 しばらくの間そうして抱きしめられていると、後ろから誰かの足音が近づいてくるのが聞こえた。さすがにこんなところを人に見られたくはなかったので、少年の胸を押し返すと、彼は名残惜しそうな顔をしながらも大人しく離れていく。
「ありがとう」
 少年はどこかすっきりした顔で言って、それから少しだけ申し訳なさそうな顔になった。
「それと……ごめん」
「え?」
「後ろ」
 少年の言葉に従ってルルーシュが振り返ると、何メートルか離れたところに凍りついたような顔で立ち尽くすスザクがいた。
「スザク……」
「本当にごめん。そんなつもりじゃなかったんだけど……俺はもう行くから、誤解だって言っておいてくれ」
 少年はすまなさそうな声で言ってそそくさと去っていく。
 廊下には、ルルーシュとスザクの二人だけが残された。沈黙が痛い。スザクの様子がおかしいのは明らかなのだが、どうにも声をかけにくい雰囲気だ。数秒か数十秒か、あるいは数分か――どれだけの間かは分からないが沈黙が続いた後、それに耐えかねたルルーシュが口火を切った。
「こんな時間に登校か?遅刻にもほどがあるぞ」
「……うん、そうだね」
「俺は図書館に行くが、スザクはどうする?」
「生徒会室に行こうと思ってたんだ……君に会いたかったから」
「そうか。俺も会いたかったよ」
 ルルーシュは笑って同じことを返すが、それでもスザクの表情は暗いままだ。
 どうしたものかとルルーシュが思っていると、無表情のスザクがぽつりと問いかけてくる。
「今の人、誰?」
「え、ああ……告白されたんだ」
「付き合うの?」
「まさか。断ったよ」
「ならどうして抱き合ってたんだい?」
「抱き合ってって……あれはこれで最後だからって頼まれて、一度だけという約束で抱きしめられただけで、俺は抱きしめ返してなどいない」
「ふうん……そうなんだ」
 納得したような返事も無表情のまま行われては、言葉に嘘があるのだと言っているようにしか見えない。
 ルルーシュは眉を顰めた。
「……何が言いたい?」
「別に何も。でも、こんな人気のないところで男と二人きりになるのは、あまりいいことではないと思うよ。何をされるか分かったものじゃないしね」
「今回は不可抗力だ。それに人気がないと言っても、ここは廊下だぞ?いつ誰が来るのか分からないのに、こんなところで無体をしようとは思わないだろう」
「分かってないね」
 スザクは呆れたような声で言う。
 その突き放すような態度に、ルルーシュの機嫌は急降下する。再会してからは扱いに気をつけているとは言っても、こんな態度を取られてまで、優しく接せられるわけがない。
「たとえ何かされても、それぐらい対処できるさ!大体、そんなことお前には関係ないだろう!」
 ルルーシュは怒りのまま叫んで、体の向きを変えて歩き始めた。
「関係なくなんてない」
 けれどすぐ、そんな声とともに、後ろからスザクに抱きしめられて止まることを余儀なくされる。
「関係なくなんてないよ……僕は君が好きなんだ」
 耳に吹き込まれた告白を、ルルーシュは本気で聞き間違いかと思った。
「だから君のことが心配になるし、あんなふうに誰かに抱きしめられてるのを見たら嫌な気分になる。それに、何かされても対処できる?そんなの無理だよ」
 スザクはそう言って、ルルーシュを抱きしめる腕に力をこめてくる。
 聞き間違いかと思ったが、どうやらそうではないらしい。それを悟った瞬間、ルルーシュの胸を占めたのは何だったのだろう。
 その想いに応えたら、スザクは裏切らないのだろうかと思った。父親を殺した罪のために歪んでしまったスザクでも、正しいことに固執するスザクでも、ルルーシュを選んでくれるのだろうか。穢れなど知らないように笑っている清廉なユーフェミアよりも、血と罪にまみれる修羅の道を選んだルルーシュを選んでくれるのだろうか。その気持ちを受け入れたら、スザクはルルーシュのものになるのだろうか。決してルルーシュを裏切らないと約束した、あのまっすぐなスザクじゃなくなってしまったスザクでも。
 『以前』のスザクはユーフェミアを選んだ。ユーフェミアを主に選んで、ユーフェミアを好きになって……端から見ていても分かるぐらい、スザクは彼女のことをとても大切にしていた。
 けれどそれが、その感情が今度は自分のものになるのだとすれば。主君であり恋人であったユーフェミアを失ったために己の信念さえ変えてしまったほど情深いスザクが、彼女に向けた感情をルルーシュに向けることになるのだとすれば。それはつまり、望んだスザクが手に入るということではないのだろうか。決してルルーシュを裏切ることのない、ゼロとなったルルーシュを否定することのないスザクが手に入るということなのではないのだろうか。
 そう思ったとき、ルルーシュが抱いたのは希望だった。スザクがルルーシュを好きであるのならば、ユーフェミアを好きになることがないのならば、きっとあの最悪の未来を避けることができるはずだ。
 ルルーシュの口元は、自然と笑みの形につりあがる。
 浅ましい打算が、この告白に対する答えを決めた。
「男と女に、どれだけ力の差があると思っているんだい?ひ弱な君に撃退なんてできるとは思えないし、隙を突いて逃げようにも体力ゼロの君じゃ抵抗してるうちに疲れて終わりだよ。何より君は突発的なことに弱いから、驚いてる間に取り返しのつかないことをされるかもね。……今だって、君は動くこともできないじゃないか」
「抵抗しないのは、相手がお前だからだ」
「僕だから何?僕なら君に妙なことをしないって、そう思うっているのかい?ルルーシュ……君は僕を馬鹿にしているのか?僕だって男なんだよ」
「違う」
「何が違うの?」
「俺は、お前になら何をされてもいい……そう思ってるだけだ」
 嘘だ。何をされてもいいなんて、そんなことは嘘だった。けれどその嘘を吐くことにためらいなんてなかった。想いを受け入れることでスザクを手に入れることができるのなら、こんな嘘ぐらいいくらだって吐く。
 その発言に驚いたのか、スザクの拘束が緩んだ隙にルルーシュは抱きしめてくる腕の中でくるりと向きを変えて、スザクを見上げた。『以前』と違って、女になってしまったルルーシュは、少し見上げなければ彼と目が合うことはない。
「俺もお前のことが好きだ……俺は、お前の一番になりたいんだ……」
 ルルーシュはそう言ってスザクの首に腕を回して伸び上がり、硬直している彼にそっと口付けた。
 唇を合わせるだけの幼いキスが、激しいものに変化したのはすぐ。正気づいたスザクが、呼吸さえ奪うようなキスを返してきたからだった。
 男とキスをしているというのに、嫌悪感は少しもなかった。親友だった存在にこんなことをされているというのに、戸惑いはどこにもなかった。
 この男が欲しい――思ったのは、ただそれだけ。
 スザクへのこの感情を、恋だと思ったことは一度もない。けれどこうまでしてたった一人を望む感情は、この執着は、本当はルルーシュ自身自覚していないだけでもしかしたら恋だったのかもしれない。


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